第24期会長 今川 恭子


第24期会長 今川恭子


 昨年(2019年)の選挙で再任して戴き,会長として2期目を務めることになりました。ご支持にあらためて御礼申し上げます。第24期の歩みは,学会設立51年目からのスタートとなります。音楽教育の変わらぬ本質と新しい時代への対応とを視野に入れながらさらなる発展を遂げるべく,本多副会長,木村事務局長はじめ役員・委員一同と共に,すべての会員の皆様にお力添えいただきながら精一杯務めてまいります。どうぞよろしくおねがいいたします。


 第24期は,社会全体が新型コロナウィルス感染症拡大に覆われる中での船出となりました。収束の見通しが不透明な中で,この事態が社会の変革の契機になるのだとしたら,どのような状況にせよ私たちは前を向いて行かねばなりません。「音楽の学びと教え」の「これから」を考えるという,私たちに課せられた課題は重大であると考えます。いま目の前にある問題に対処することももちろん必要ですし,今だからこその本質を見据えた議論の場を確保することも大事にしたいと思います。


 「人と人とが関わり合うこと」そのものがリスクだと言われるようになってしまった今,「音楽の学びと教え」をめぐってさまざまなことが起こっています。会員の皆様はそれぞれの立場で,さまざまな思いをもってそれらを見つめておられることでしょう。「不要不急」と言われて真っ先に閉ざされてしまった対面での演奏活動や音楽教育の場は,枚挙にいとまがありません。感染拡大を防ぐためには致し方ないことなのでしょう。その一方で,外出制限された人々の歌声が続々とバルコニーから聞こえてきたという海外のニュースや,オンラインでの演奏配信,遠隔合奏や遠隔合唱をやろうという苦心と工夫,オンラインでのレッスンやワークショップ,音楽遊びの例も見られます。人々は,共に音楽をせずにはいられないのではないでしょうか。人と人とが響き合うことの意味を,研究と実践の両面から深く探究するべき時なのかもしれません。


 さて,前期の課題としてあげたのは,「多様性を尊重した研究と実践およびその交流の推進」,「学会の社会的役割を自覚した活動の充実」,「学際的研究の推進」の3つでした。この振り返りはニュースレター第79号に書かせていただきました。いずれも一定の成果をあげつつも努力の継続が必要であり,今期もこれらの課題には継続して取り組んでいきたいと考えます。加えて組織・運営面においては,持続可能な学会としての体制固めを推進いたします。具体的には,会員データベースの引き続きの整備,電子投稿の実現,広報のWeb化などです。さらに,前期将来構想ワーキンググループが下地を作ってくださった「あらゆる世代に活躍していただく」ための制度改革も,進めていきたいと考えています。最後にもうひとつ,国際化はこの新型コロナウィルス感染症危機によって,非常に難しい環境に置かれています。APSMER(Asia Pacific Symposium for Music Education Research)東京開催や韓国音楽教育学会(KMES)との交流の継続など,グローバルな研究交流が後退することのないように取り組んでまいります。


 学会は,音楽教育に様々な立場で関わる方々,音楽教育に関心をおもちの方々お一人お一人の力によって運営されています。皆様と力を合わせて,よりよい音楽教育の未来のために力を尽くしていきます。皆様のご協力を,心よりお願い申し上げます。